笑って泣いて大感動!の「あばら家之場」を振り返る 2018.11.20歌舞伎公演の様子 11/17,18の2日間にわたり開催された、第48回小鹿野町郷土芸能祭。 そのトリであった演目が、小鹿野歌舞伎保存会津谷木部会による「一谷嫩軍記 あばら家之場」でした。 今回は、どこが良かったのかを筆者の独断と偏見でお伝えして行こうと思います! *このお芝居のあらすじなどは、既述の特集記事に書いてあるので下記のボタンよりご覧いただけます。 「あばら家之場」のあらすじはこちら ←主役の平忠度(たいらのただのり)さん 私の前に、2歳の女の子と4歳くらいの男の子がお父さん、お母さんと一緒に座っていました。 『この子たち、1時間半も歌舞伎を観ていられるのだろうか…。」と内心やや要らぬ心配をしていました。 でもそんな心配は全くいりませんでした。 1時間半という上演時間にも拘わらず、この「あばら家之場」、役者さんの演技力はもちろん、飽きの来ない話の展開と見どころ満載なお芝居だったのです。 その小さな子どもたち、飽きるどころか観ているうちにどんどん体が前のめりになっていきます! そして・・・、あばら家の家主の老女、林(はやし)の出来損ないの息子、太五平(たごへい)が、戦に行く話になるあたりから、子どもたちが大笑い!を始めます(^^♪ 鎧を着るのに、裸になれと言われる太五平。見事なふんどしぶりでした! 会場に響く、子どもたちのあどけない笑い声。ケラケラケラケラ笑う姿にも、思いがけず癒されました~。 場面は変わって、忠度(ただのり)の許嫁の菊が登場し、女の恋心を余すところなく魅せてくれます! 愛する忠度様があばら家にいると知って、嬉しくて嬉しくて仕方がない菊。 ひたむきな姫様の乙女を、愛らしく可憐に体いっぱいに思いを溢れさせながら表現してくれました! 彼女の声も、とても透る高い声で、思わず引き込まれてしまいます。 こちらは、悲しみの菊姫。 忠度に『どこまでも着いていく。』と言い張りますが、それがどうしても聞き入れてもらえない・・・。 愛する人を想う気持ち、切なさ、死を覚悟している忠度、、、 菊の想いがあまりにもストレートに伝わってきて、思わず観ているこちらまでもらい泣き。。。 とにかくかわいそうな菊姫。 戦を知らせる陣太鼓が聞こえると、舞台は一気に転換します! なんと、大道具さんがあばら家の家の奥の壁を一瞬にして取り払い、外の景色に一変したのです! ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ (それにしても、大道具さんの息の合った瞬時の動きには大拍手です!) 舞台転換の工夫に感心している間もなく、、、今度は忠度の衣装が、なんと引き抜きされて! 舞台は忠度を捕らえにきた大勢の敵との大立ち回りで、さらにさらに盛り上がります! ツケやカネの音、大太鼓が、耳でも楽しませてくれます! すごい!すごい!と興奮冷めやらぬうちに、 なんと忠度の衣装がまた瞬時に変わった! これには観ていたお客様も、思わず 「おーーーっ」という声が! ラストはじゃらじゃらとあって、幕引き直前の決めポーズ。 最後の役者さんたちのご挨拶の時には、筆者は感動で涙をこらえながらのスタンディングオベーションをさせていただきました! 歌舞伎を観て泣いたのは、玉三郎の「京鹿子娘道成寺」を観た時以来でしょうか。。。 とにかく感動しました! 舞台に係わられた方は言うまでもなく、郷土芸能祭を支えられた方、すべての皆さんに、 心からお疲れ様でした!、2日間楽しませていただきありがとうございました。とお伝えしたいと思います。。。 おしまいに、ちょっとお知らせです。 なんと、この「あばら家之場」のお芝居が、すでにYouTubeにアップされています! 舞台をご覧になった方も、見逃された方も、下記のボタンからぜひご覧になってはいかがでしょうか。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 「あばら家之場」のYouTubeはこちら 関連 投稿者: 絢子歌舞伎公演の様子