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十六様のお祭り、いざ夜の歌舞伎へ!

十六様 小鹿野歌舞伎

午後6時、日本武神社(十六様)のお祭りの夜が更ける頃、
地元十六若連の皆さんによる歌舞伎公演が始まります。

まずは「三番叟」から。祭りの安全を祈り、舞台を米、塩、酒で清めます。
よく見る三番叟は、一人の場合が多いのですが、十六様では、「若い二人娘が十六様のお祭りに花を添える意味を込めて」とのことで、
名付けて「十六嫩三番・花の口上」、中学生の若い2人によって舞が納められました!
ここで感心したのは、太鼓も笛も柝もすべて子供たちによる演奏だったことでした!

↑こちらは、出番直前の楽屋にて。

寺子屋 小鹿野歌舞伎

十六若連奉納歌舞伎「菅原伝授手習鑑 寺子屋之場」
以下、写真で名場面を振り返りましょう。

品格があり育ちの良さそうな顔立ちの子どもの顔を見る寺子屋の主人、源蔵。

源蔵は、この子の首を斬ることを決めます。

この芝居の一番の見せ場ともいうべき、松王丸による首実検。我が子の首を見ながらの松王丸の心中は想像に難くなく涙を誘います。

寺子屋 小鹿野歌舞伎

後に、寺子屋へ預けた我が子を迎えに来たフリをする松王丸の妻、千代に源蔵が斬りかかります。
千代が演じた、ひょっとして我が子は生きているかも?というシーンが切なかったです。

寺子屋 小鹿野歌舞伎

とそこへ松王丸がやってきて、源蔵夫婦に事の次第を聞かせます。

松王丸の妻の、子供を想う母心の場面は、名演技で、特に胸が締め付けられるようでした。💦

閉幕後の役者さんたちによるご挨拶。 皆さん、迫真の演技で、拍手をめいっぱいおくらせていただきました。

そして、ここに写っていないのが残念ですが、柴崎宇平さんの弾き語りによる義太夫節も、本当に素晴らしく感動的でした
太夫さんの語りは、それぞれの役者さんのセリフとなり、観るものの気持ちを鷲掴みにし、感情をことごとく揺さぶられました

最後にもうひとことだけ。
こうしてまだ冬の寒さの残る夜だというのに、お酒も呑まず、ただ芝居を観に集まってくる人がこんなにいらっしゃるとは、、、。

そしてその方たちが、芝居の見せ所などで拍手をするなど、歌舞伎のことをよくご存知ということがよ~くわかりました。
さすが! かつての「大和座」の聖地!

『やる側も観る側も、どちらもハイレベルだなあ。』と感じつつ、十六様のお祭りを後にするのでした。

また来年も、このお祭りで・・・。

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