Kabuki Troupe

町中が歌舞伎一座

おがの歌舞伎が10倍面白くなる!

町中が歌舞伎一座という異例の小鹿野町。
そこには、先祖代々受け継がれてきた歌舞伎スピリットと努力があった…。

歌舞伎の裏方全集

知れば "10倍歌舞伎が面白くなる" 影の立役者の紹介

音の立役者

~音が歌舞伎を盛り上げる~

 

日本人が育んだ歌舞伎は、セリフ以外に実に「音・音楽」を多用しています!

小鹿野歌舞伎には、プロの演奏家さながらのことを、しれーっといとも簡単にやってのけるツワモノがいっぱい!

そんな歌舞伎を盛り上げる音のスペシャリストをここでは紹介していきます!

義太夫

小鹿野歌舞伎の義太夫

 

小鹿野歌舞伎をみていると、役者さん以外に舞台の上手に座って、三味線を弾きながら語っている人がいることが割と多くあります。

その方、義太夫節といって、舞台の設定や役者のセリフに付け加えて状況を説明したりする、

いわばナレーションをする人なのです!

そして時には、自らの三味線で、BGMまでやってのけるスペシャリストな方でもあります。

さらに、小鹿野歌舞伎の太夫さんは、歌舞伎座などでは三味線と語りが別々に演奏されるところを、

なんと! 一人二役、弾いて語っての両方を、一人でこなしていらっしゃるのです

これは小鹿野歌舞伎の大きな特徴のひとつで、大正、昭和~現在に至るまで、代々の太夫さん方による
たゆまぬ努力によって受け継がれてきた、小鹿野歌舞伎の伝統芸となっています。

 

ツケ

 

舞台の袖で、何やらカタカタ床を叩いている人がいますよね。

実は、あの木の音があるから、役者が何やらポーズをやっている時に、かっこよく見えたりするんですよね^^

それから、役者が登場するときに足音の代わりにバタバタ音を鳴らしてたり何かがぶつかったりした時の音だったり、、、色んな場面でカタカタ音がしています。

あの木の音があるからこそ、歌舞伎らしいですよね!

それにしても、常に役者さんの動きにぴったりと音を合わせないといけないから、やってるご本人はさぞかし神経を使うでしょうねえ~。

下座音楽

 

舞台の下手の方に、何やらすだれの垂れた囲いがあります。

その中で、三味線や太鼓などを演奏している方たちがいます。

その方たちが、いわゆる歌舞伎を盛り上げるBGMの演奏者です。

立ち回りなどの勇壮な場面では、太鼓が役者の動きを盛り上げたり役者が涙を流すシーンでは三味線がしっとりとその心情を音に表してみたり・・・、

下座音楽の調べに合わせて、観ているこちらも心が揺さぶられます!



美しさの立役者

~歌舞伎は役者だけでは成り立たないよ~

歌舞伎を上演するにあたり、それを支える人たちの日頃の努力あって初めて舞台が成り立ちます。

言わば歌舞伎の影の立役者である裏方さんを紹介します!

衣装

歌舞伎衣装の着付け

 

歌舞伎と言えば…ド派手な衣装! 様々な役者の衣装を覚えたり、役者に着せたり、畳んで管理したり…、ほんとに大変!

役者に着付けをするときなどは、重い着物を何人もの役者に着せたりするので、いつも汗だくになるそうです。

そんな衣装を管理されている方は、重たい着物を何枚も季節ごとに虫干ししています。

日々の生活の仕事以外にも、衣装の管理を徹底し、大切に守っておられるという、まさに努力の方!

化粧

 

歌舞伎の化粧と言えば、真っ白に塗った顔に赤い線などを引く「隈取」を思い浮かべる人も多いはず。

隈取にも色々な種類があって、その色・形は全て役によって決められています。

隈取以外でも、歌舞伎では演目の役柄(武士、町人、既婚の女性、遊女、etc.)によって化粧の仕方がきっちり決められているので、「一本線を間違えた!」なんてことは許されませんよ~!

鬘(カツラ)

 

小鹿野歌舞伎って、鬘(カツラ)も自前で持っているんです。

この鬘を管理、役者に被せるのも、ほんとに大変なんですよね~。

鬘の髪もきれいに整えて、舞台本番にはベストの状態にしておかないといけないし、

しかも鬘の担当の方、特に美容師でもなんでもないんですから!

それでもってもっと大変なのは、役者さんの頭の大小、カタチも違うのに、ちゃんとそれぞれの鬘を役者さんの頭にフィットするように被せてあげるという、

かなり高度なテクニックの要る作業です! 担当の方の創意工夫にも拍手ッ!

大道具/小道具

歌舞伎の大道具小道具

 

小鹿野歌舞伎を観て感心するのは、立派な舞台ですよね~。

あれほどまでの大掛かりなセット、すべて地元の人たちによる手作りだっていうのだから、脱帽です!

その仕事ぶり、別に担当の方が大工さんや塗装やさんってわけじゃないんですよ!

ちゃーんと、先代の方たちが作りあげてきたノウハウや、常に学ぼうと姿勢の現れではないでしょうか~?

小道具担当の方の気苦労も半端ないですよ!

何といっても、小さいものは楽屋のあれやこれやの雑多な中で失くしやすいし、

舞台においては、扇子など絶対に忘れてはならないものですし、

時代考証が間違っててもいけないし、あー気が抜けないですね!

黒衣

 

歌舞伎では、黒は見えないものという約束があるため、「黒衣」も舞台上では見えないことになっています。

「黒衣」の仕事は多岐にわたります。

主に小道具を渡したり片付けたり、衣裳の着替えを手伝ったり、小鹿野歌舞伎でいうと、

セリフを忘れた時の助っ人としても活躍します(笑)