SPECIAL 特集記事 5/3 お山のてっぺんで歌舞伎やります! 2019.04.29 毎年5月3日、小鹿野町津谷木にある木魂神社(きむすびじんじゃ)例大祭では、 小鹿野歌舞伎保存会、津谷木部会の方たちによる歌舞伎が上演されます。 今年の演目は、子供歌舞伎が「絵本太功記十段目」、 若連歌舞伎が「一条大蔵譚(いちじょうおおくら ものがたり」です。 若連歌舞伎のお稽古を見学してきました。 「一条大蔵譚」は、言わば、主人公が志村けんのバカ殿様のモデルとなったような人?で、 主人公の一条大蔵卿は、 『阿呆(あほう)のフリすることによって、危うい世の中を、実はうまく身を守りながら渡っている』 という優れ者のお話なのです。 なので、大蔵卿は、時には、、、 わざと、阿呆のフリをしてバカだと思わせたり、、、 でも実は、素に戻ると、大変な切れ者であるという・・・。 阿呆の演技が冴えれば冴えるほど、真に戻った時の姿がなんともカッコよく、 歌舞伎を観たことがない方でも引き込まれてしまうと思います! こちらは、源義経の母、常盤御前。 今は一条大蔵卿の妻として、大蔵卿に身を守ってもらっています。 表向きは源氏を裏切っているように見せていたため、 非常にも、訪れてきた源氏の家来に激怒されて、叩かれる場面も! こちらは、その常盤御前を叩く源氏の家来のふたり。 後に、常盤御前が源氏を忘れていないこと、 そして一条大蔵卿が自分たちの味方であること が分かります。 こちらは、平家方のスパイ。 常盤御前の本心を聞いて、平家方に言いつけようとしたところ、 大蔵卿に斬られます。 さて、このように、大変興味深いお芝居ですが、表題のように、このお芝居、ほんとうに『お山のてっぺん』でやります! そこで、木魂(きむすび)神社のある天狗山のてっぺんへ行ってみました。 車を停めて木魂神社へ向かうと、まず社務所らしきところがあります。 そこに、神社の御由来が書いてありました。 もともとは、この山で修業をしていた武芸者が天狗から剣術の奥義を授かったことから、 その武芸者が小さな祠(ほこら)を建て、魂を打ち込んだ木剣を奉納したというのが起源なのだそうです。 (そのためか?5/3には、剣術の居合演武も奉納されます。) さらに、進むと、坂道が二つに分かれました。 まっすぐ行けば、緩やかな「女坂」、もう一方は急な山道の「男坂」! 『女坂』は舗装された緩やかな道。 高い杉の木や自然林の間を歩けば、 新緑の季節の気持ちイ~森林浴ができます! (頂上まで徒歩10分~15分) 一方の「男坂」、 チョーハードなきつーい急な山道で、 登山靴でないと厳しい!と思うほど、きつかった。。。 (頂上まで徒歩5分~10分) そして辿り着いた木魂神社。 そこは、ほんとに山の頂上でした。 そして、歌舞伎の舞台は、神社の背面に! じゃじゃーん!!! なんと! 回り舞台まで付いている、立派な歌舞伎舞台です! この津谷木地区で農民歌舞伎が行われたのは、大正時代初期からで、 以降、歌舞伎好きの氏子が役者となり、5月3日の例祭で芝居が上演されるようになったそうです。 5/3、木魂神社例大祭当日、 天気予報では、幸いにも雨は免れそうです! 小鹿野歌舞伎ならではの 山のてっぺんでやる地芝居、 あなたも観に来てみませんか? 5/3の例大祭、歌舞伎舞台のスケジュールはコチラです。 ★午前中(幕間)~太々神楽(十六様) ★12:00~「三番叟」・「口上」 ★12:40~津谷木子ども歌舞伎「絵本太功記十段目 尼ヶ崎閑居之場」 ★15:30~津谷木有志若連歌舞伎 「一条大蔵譚」 →電車の方は、西武秩父駅・秩父鉄道秩父駅から「小鹿野車庫」または「栗尾」行きバス35分の三島下車、徒歩25分。 関連