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13年ぶりに!あの奇跡の芝居が帰ってくる!

絵本太功記、小鹿野、おがの、OGANO、歌舞伎、歌舞伎サークルうぶ、九段目、明智光秀、真柴久吉、武智光秀、豊臣秀吉

11月16日(土)の初日11時~上演される歌舞伎サークルうぶによる
絵本太功記九段目 大物浦瓜献上之場」≪えほんたいたいこうき きゅうだんめ  だいもつのうら うりけんじょうのば≫

「絵本太功記」といえば十段目の「尼ヶ崎閑居之場」が有名ですが、このお芝居、もともと14段まである長ーいお芝居で、今では大歌舞伎でもほとんど十段目しかやらないのが現状です。

ではなぜ小鹿野町では、九段目をやるのか?

それは、小鹿野歌舞伎はかつて「大和座」というプロの一座として活躍していた時代があり、
その大和座の系統を継いでいた故 三枝健市さんが、子供の頃の記憶を辿りながら、芝居を復元してくださったからなのです!

三枝さんがその九段目を再現した背景には、2002年に発足した【歌舞伎サークルうぶ】の存在がありました。

小鹿野歌舞伎は地域の祭りの氏子によって受け継がれてきましたが、

「歌舞伎の町ーおがの」であるならば、氏子以外の人でも歌舞伎ができるようにしよう
という取り組みの中で生まれた新しい団体が【歌舞伎サークルうぶ】
でした。

三枝さんは、伝統的な歌舞伎伝承に囚われずに、いつでも『うぶ』な気持ちで歌舞伎を楽しもうという歌舞伎サークルうぶのために、
”今ではやらなくなっていた芝居”の台本をを起こし、教えてくださったのです。

三枝さんは、3代目音羽屋坂東彦五郎を祖父に持つ方で、子供の頃から子役をしながら大和座を手伝い、その生涯を小鹿野歌舞伎に捧げられた方でした。

そんな三枝さんから「歌舞伎サークルうぶ」へ受け継がれた芝居ー

それが今回の『絵本太功記九段目 大物浦瓜献上之場』と、『熊谷陣屋』の前段にあたる『一谷嫩軍記 宝引の場』、

どちらも55年~60年の時を経ての再演でした。

今年の郷土芸能祭にあたっては、今回の舞台は2006年の奇跡の復活再演以来、実に13年ぶりの、うぶによる九段目披露となります。

ここで、今回の歌舞伎サークルうぶの舞台について、おさえておきたいことをお伝えします。

★肩肘張らず、笑ってもらえたら良いな♡

・・・九段目の段は、そもそも「義太夫休めの幕」と言われていたように、文字通り、義太夫さんがいません。昔は1日にたくさんの芝居が上演され、この九段目のように義太夫の休まる幕がありました。
また話の内容も、観客が気楽に観られるように、単純で笑えるコメディタッチの作品になっています。

★立ち回りが豪快です!

・・・歌舞伎の立ち回りというと、ややゆっくり目で、様式美を重視されてるように感じますが、この九段目の立ち回りは時間的にも長く、あまり今の歌舞伎では見ることのないような動作もあり、見応えがあります!
三枝さんがこの立ち回りを指導された時は、時に声を張り上げながら、大変厳しくご教授されたそうです。

明治時代に活躍した「大和座」が、お客様を喜ばせようと創意工夫した立ち回り。その意気込みとプロ根性を、この立ち回りから感じられます。

★初代和尚から2代目和尚へ受け継がれる役作り

・・・九段目の最初の再演は、1948年以来実に55年ぶりとなった2003年のことでした。その主役であるけんけつ和尚を演じたのが、写真の神山さんです。神山さんのけんけつ和尚は神山さんの当たり役で、大変好評だったそうです。

そして2代目のけんけつ和尚を務めるのは、こちら関口さん。酒好き色好きな和尚さんですが、村人たちのリーダーであり面倒見のよい和尚さん。
その細かな動きを、神山さんが一生懸命伝えています。

★あらすじについて

・・・最後にもうひとつ、おさえておきたいことは、このお話が「絵本太功記十段目(太十)の前段であるということ。

十段目に出てくる久吉は、光秀の母の住む尼ヶ崎閑居へ、和尚のフリをして潜入しています。

その和尚の衣、実は九段目のけんけつ和尚から剥ぎ取ったものなのです! その衣を持って久吉は尼ヶ崎へ向かうという設定で幕が閉じられるのです。

・・・そうなると、続けて十段目が観たくなりますよね!

ご安心ください。なんと今年の小鹿野子ども歌舞伎の演目は「太十」です!

歌舞伎サークルうぶも、結成以来17年が過ぎました。

その活動範囲は幅広く、芝居や舞踊を通して福祉活動、祭りやイベントへの参加など、歌舞伎の楽しさを自由に伝えているのが大きな特徴です。

うぶはこれからも小鹿野町に伝わる歌舞伎の伝承団体として、愉快に活き活きと歌舞伎を受け継がれていくことでしょう。

「歌舞伎やってみたい人! うぶに集まれっ!!!」

 

 

*故 三枝健市さんの写真は、「小鹿野歌舞伎写録」(小鹿野歌舞伎後援会発行)より、山口清文氏の写真を引用させていただきました。