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第14回彦五郎祭に寄せて~秩父歌舞伎正和会~

秩父歌舞伎正和会 彦五郎祭 坂東彦五郎 小鹿野歌舞伎

6月30日(日)、秩父市吉田にて「第14回彦五郎祭」が行われます。

初代坂東彦五郎は、江戸時代後期の文化文政年間に江戸で歌舞伎を習得しました。

その後、秩父に帰郷して歌舞伎の基礎をつくったとされています。

彦五郎の芸は、上吉田(現秩父市)と小鹿野町方面の弟子によって受け継がれ、時代が移り変わってもなお、

現在の小鹿野歌舞伎保存会、そして秩父歌舞伎正和会によって生き続けています。

そんな彦五郎の功績を偲び行われているのが、この「彦五郎祭」なのです。

秩父地方のもうひとつの地芝居団体、「秩父歌舞伎正和会」の皆さんの稽古風景を、特別に取材させていただきました。

秩父歌舞伎正和会が発足したのは、太平洋戦争直後の昭和22年。

秩父地方における江戸時代からの民衆が慣れ親しんできた民衆娯楽歌舞伎を、

今も保存と研究により引き継いでいます。

また、初代の坂東彦五郎の亡き後、「喜(き)熨斗屋(のしや)」の屋号を持つ坂東彦五郎は、

現在十二代目(平成19年襲名・秩父歌舞伎正和会猪野直文芸術監督)まで受け継がれています。

すでに歌舞伎通の方は、お分かりになっていることかと思いますが、

そんな今年の秩父歌舞伎正和会の彦五郎祭での演目は、

「菅原伝授手習鑑吉田社頭車引之場」 です!

桜丸役の中村さん

藤原時平役の坂本さん

松王丸役の髙橋さん

こちら会長の鈴木さん。この日は梅王丸の代役をされていましたが、めちゃくちゃきまってますね!

正和会の特徴は?と聞きましたら、皆さん口々に

「声がでかい。」

とおっしゃっていました。

確かに張り上げるようなセリフの言い回しは、迫力があり、

古典的な様式美の「車引」にぴったり!

観ていて引き込まれるようでした!

秩父地方に歌舞伎をもたらした坂東彦五郎を追善し行われる30日の「彦五郎祭」。

午前中は小鹿野歌舞伎保存会による公演。

お昼休みには、彦五郎の墓参りをし、午後は秩父歌舞伎正和会の出演です。

どちらの団体も、それぞれの見事な芸がご覧になることができると思います。

ぜひたくさんの皆様にもお越しいただき、江戸から続く彦五郎の芸に思いを寄せてみてはいかがでしょうか?

 

*第14回彦五郎祭のイベント情報詳細は、こちらから→6/30彦五郎祭情報

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